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校正と編集からみる、本づくりの話

こんにちは。

神奈川県大和市の印刷・企画・デザインならおまかせ、アドタックです。

 

今回は印刷やデザインの仕事とも関わりの深い「本づくり」をテーマに、

最近読んだ2冊の本を紹介してみたいと思います。

 

最近、ZINEや自費出版など「自分で本や冊子をつくる」という話題を

見聞きすることが増えてきました。

大きな出版社を通すほどではないけれど書いたものをまとめて形にしてみたい。

そんな動機から本づくりに挑戦する人も多いようです。

また、印刷やデザインの仕事に関わっていると「作れるようになった」その先で

読みやすさや整え方が気になってくる場面に出会うことがあります。

そんなときに手に取ったのが今回紹介する2冊の本です。

 

■文章の引っかかりに目を向ける

サワラギ校正部(著)

『自分でやってみる人のための 校正のたね』

 

この本を読んでまず感じたのは「校正」という作業が思っていた以上に

身近なものだということでした。

誤字脱字を見つけるだけでなく、表記の揺れや数字の扱い、文章としての違和感など

「読み手がつまずきやすいポイント」に丁寧に目を向けています。

内容はコンパクトですが、原稿を前にしたときに

「どこから確認すればいいのか」

「何を基準に見ればいいのか」

が分かりやすく整理されている印象です。

自分で文章を書いたり、原稿をチェックする立場の人が迷わず確認するための

指標となるような一冊だと感じました。

 

■本は文章だけでできていない

井上のきあ(著)

『本のつくりかた 企画・仕様設計・内容構成・デザイン・編集・校正』

 

もう一冊は本ができあがるまでの流れを最初から最後まで追いかけていく本です。

企画の考え方からサイズやページ数といった仕様、構成の組み立て方、

デザイン、編集、校正まで、本づくりの工程が一通り整理されています。

読んでいて印象に残ったのは「本は文章だけで成立しているわけではない」という視点でした。

紙のサイズや余白、文字の組み方など、普段はあまり意識しない部分が、

読みやすさに大きく関わっていることがよく分かります。

商業出版だけでなく、ZINEや自費出版といった形にも活用できる

本づくり全体を俯瞰することができるような一冊だと感じました。

 

2冊をあわせて読むと…

この2冊は見ている範囲が少し違います。

『校正のたね』は文章の細かい部分に目を向ける本

『本のつくりかた』は本全体の流れや設計を見る本

ただどちらにも共通しているのは「読み手のことを考えて整える」という姿勢です。

細部と全体、その両方を意識することで印刷物の印象は

大きく変わってくるのだと改めて感じました。

 

終わりに

校正や編集と聞くと少し難しそうに感じるかもしれませんが

どちらの本も身近なところから考えられる内容になっています。

文章を書く機会がある人や、本づくりに少しでも興味がある人は

気負わずに読んでみてもらえると思わぬ発見があるかもしれません。

 

〈N.M〉