こんにちは。
神奈川県大和市のデザイン・印刷・動画・Web制作ならおまかせのアドタックです。
読みやすさの第4回のテーマは「文字の変形」についてです。
特にDTPやデザインの現場で頻繁に使われる「長体(ちょうたい)」と「平体(へいたい)」について、基本的な意味から使いどころ、注意点まで解説していきます。
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長体・平体とは?
「長体」と「平体」は、文字の縦横比を変えて視覚的に調整するための変形方法です。フォントそのものを変えるのではなく、既存の書体を縦や横に引き伸ばしたり縮めたりすることで、全体のバランスやスペースの調整を行います。
●長体(ちょうたい):文字の横幅を縮めて縦長に見せる変形。
例:100% → 80%(幅を80%に縮める)
●平体(へいたい):文字の縦幅を縮めて横長に見せる変形。
例:100% → 80%(高さを80%に縮める)
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どんなときに使うのか?
● スペース調整のために
限られたスペースに文字を収めるために、長体や平体を使って文章を詰めたり、余白を埋めたりすることがあります。
例)グレーのテキストボックスに文章を収めたいが、4行目があれている。
長体をかけると枠内に収まります。
● 視覚的な強調や印象づけ
文字を変形することで、通常のテキストにない動きや個性を出すこともできます。例えば、縦長にすることでシャープな印象を与えたり、横に広げることで安定感を演出したりと、デザイン上の意図で使用するケースもあります。
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使用時の注意点
● 変形しすぎは禁物
文字は本来、読みやすさを前提にデザインされています。長体や平体を極端にかけすぎると文字が歪み、読みにくくなります。目安としては長体80〜90%、平体90〜95%程度が推奨されることが多いです。
● 書体との相性を考える
すべてのフォントが変形に強いわけではありません。特に、筆のような表現の強い書体や、太さにメリハリのある書体では変形で美しさが損なわれることがあります。
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長体・平体は、組版やデザインにおける調整テクニックのひとつです。便利な機能ですが、やりすぎると視認性やデザインの質を損なってしまいます。
「適切に使えば整う、やりすぎると崩れる」
以上、文字の変形についてでした。
〈T.I〉