こんにちは。
神奈川県大和市の印刷・企画・デザインならおまかせのアドタックです。
今回は都内まで足を延ばして、東京都文京区にある弥生美術館を訪れました。
東京メトロ根津駅から歩くこと約10分で到着します。
みなさんは「カワイイ文化」の源泉の一人でもある、田村セツコさんをご存じでしょうか。
彼女は1960年代から約半世紀に渡り、キュートな絵で見る人の少女の心を掴み続けているイラストレーターです。
今回はそんな田村セツコさんの作品展に訪れました。
私が彼女の絵と出会ったのは小学生の頃、ポプラ社の児童向け単行本「おちゃめなふたご」を読んだ時でした。
どこか外国を思わせるタッチの挿絵に惹かれ、自分もいつかこんな絵を描きたい!と憧れたものでした。
結局イラストレーターにはなりませんでしたが、デザインの仕事に就くきっかけとなった出来事の一つです。
会場の入り口には田村セツコさんのファン達の言葉がたくさん。
下は8歳から上は60代まで、実に幅広い世代からの「大好き!」のメッセージが溢れてました。
3世代に渡り愛されているイラストレーターというのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
展示会では「おちゃめなふたご」シリーズの中でも特に好きだった挿絵の原画と対面できて、感激もひとしお。
隣のマダムたちも懐かしさに盛り上がっていました。
原画の見応えはもちろん、彼女の仕事への信念がよくわかる展示でした。
中でも印象的だったのは「少女なら誰もが抱える孤独に寄り添う気持ちをペン先に滲ませてきた」という言葉です。
「寄り添い、元気づけたい」その一心でイラストを描き続けてきたそうです。
幼い頃、私はそんなことは知らずにただ「ステキな絵」として見ていましたが、
私が彼女のイラストに惹かれた理由の一つには、そんな作家の想いもあったのだと気付きました。
もう一つは、単行本「おちゃめなふたご」の挿絵を出版社の担当から依頼されたときのエピソード。
「何、たわいもない物語の本ですよ(適当な感じでひとつよろしくネ)」と言われたときに「よし、とびきり可愛く描こう!」と発奮したそうです。
結果その本は多くのファンを獲得するシリーズとなったのです。
またまだ女性作家の少なかった時代、たかが少女向けの「たわいもない」物語、、
そこでしょげずにとびきりの作品を生み出そうとしてきた心意気に痺れます。
記念にポストカードを購入。
さて大満足の展示会を見終えて、せっかくここまで来たのだからやっぱり見てみたい、
ミーハー心のままに東大キャンパスに寄り道。
校舎に威厳があります。
さらに寄り道。ずっと来てみたかった喫茶店「ルオー」。
椅子のデザインがナイス。窓際の席で東大生(たぶん)がアカデミックな会話を繰り広げてます。
セイロン風カレーをいただきました。じゃがいもがホクホクです。
弥生美術館の最寄り駅の根津は、周辺の谷中・千駄木と合わせて「谷根千」と呼ばれ
東京下町の雰囲気を残しつつ個性的なお店の集まった人気エリア。
まだまだ散策しがいがありそうです。
みなさんも文化の香り漂う街で初夏の散歩はいかがでしょうか。
<H.H>