こんにちは。
神奈川県大和市の印刷・企画・デザインならおまかせのアドタックです。
今回は東京駅にある「東京ステーションギャラリー」で開催の「東北へのまなざし」展を訪れました。
この「東京ステーションギャラリー」、駅併設だからといって侮るなかれ、
なかなか展示スペースは広く、見応えのある美術館です。
私は結局2時間近く滞在しました。
美術館入り口前、駅の天井も素敵ですね。上階はホテルになっているそう。
さて「東方のまなざし」展です。
東北といえば民芸。
本展示では1930年代以降、民芸運動に携わった建築家やデザイナーの軌跡、
生活の中で生み出された工芸品、当時の映像(よく残っていたものです)や
写真などの展示を見ることができました。
私はこれまで漠然と民芸運動を、外(国内・国外)からやってきた人が
東北の素朴な暮らしや伝統に美を見出し、それを「守り・保護」した運動なのだと思っていました。
しかし展示を見終わる頃にはそのイメージは覆されました。
民芸運動は、生活の中の美(民衆的工芸品)を発見し守るだけでなく、
農村地方の近代化、過酷な生活環境で生きる人々の生活改善など
社会への問題提起、実践活動をも含むダイナミックな動きだったようです。
農民たちを一堂に集めての民芸品の製作指導の様子をとらえた写真や
雪に押しつぶされない家屋の設計図と模型等、
民衆の生活に密接した活動の記録も数多くありました。
この時考案された家屋の形は、現在も受け継がれているそうです。
ドイツの建築家ブルーノ・タウト、フランスのデザイナーのシャルロット・ペリアン、
そして民芸運動の父、柳宗悦。
展示品を見て進むにつれ、国や職業の枠を超えた民芸運動のエネルギーを感じ、
熱い気持ちになりました。
正直、素朴な民芸品でも見て癒されよう、と思って来たのに意外な展開でした。
当時作られた椅子やテーブル、ランプスタンドなどは、
現在のセレクトショップに並んでいても違和感がないほど。
とりわけ印象的だったのは蓑(みの)の美しさ。
自然の材料が生み出す色合いの統一感、細やかで正確な編み目。
鑑賞品として飾ってあってもいいのではないかと思わせる造形です。
この展示は9/25で終了していますが、美術館内の建築意匠や東京駅 駅舎自体にも
見どころはたくさん。
ぜひ皆さん訪れてみてはいかがでしょうか。
<H.H>