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vol.01 カラーマネジメントのはなし

印刷物を作っていく上で気にする項目は多々あれど、一番デリケートな問題は「色」の取扱だと思います。
お客様のイメージした色と出来上がりが異なってしまっては一大事。
しかし「色」のイメージをピッタリ合わせるのはなかなか難しいものです。

なぜか?

今回はそんな話と、イメージを近づける技術「カラーマネジメント」の話をしようと思います。

 

カラーマネジメントとは、ざっくり言ってしまうと、
どのモニタで見ても、どのプリンタで印刷しても、同じ画像は同じ色で見えるようにすることです。
それが難しいと言われる理由は、「色」の表現の差異があること。
まず、パソコンのディスプレイでの色表現はRGB、印刷での色表現はCMYKを用います。

【RGBとCMYK】
RGBは『加色混合』、通称『光の三原色』と言って、赤・緑・青の3色の光線の組み合わせで色を表現します。
RGB全てが発光していない時が黒、100%発光している3色が重なったところが白になります。

次に、CMYKは『減色混合』、通称『印刷三原色』と言って、
本来はCyan(シアン=水色=藍版) Magenta(マゼンタ=ピンク=赤版)Yellow
(イエロー=黄色=黄版)の3色のインクを重ね合わせて(混ぜ合わせて、じゃない)色を表現します。

3色ともインクが無いところが白(正確には紙の色)、ベタに塗りつぶされた3色が重なったところが黒
この3色だけではどうしても黒がクッキリ出ないのと、真っ黒を表現するのに3色ベタ版を重ねてしまうとインクが厚くなってしまうので、K(クロ=黒=スミ版)を入れて4色にするのです。
CMYKは、インクの重ね合わせで色を表現する為、発光した様な色が再現できません。

通常の印刷は、すべての色をCMYK4色で表現しなければなりません。
RGBと違ってCMYKは発光できない。RGBに較べて色の表現幅が狭い。全体的にくすんだり色褪せした様に見えたりします。特に青や緑系統の色はガツンと色落ちします。モニターの色はCMYKモードとは言え、所詮モニターはRGBでCMYKを擬似的に表現しているだけですので、実際の刷り上がりの色とのズレが出て来ます。
それを、なるべく少なくする様に調整をしますが、なかなか完璧にはなりません。
あとは色見本帳(4色の掛け合わせのパターンが出ている)と合わせて刷り上がりを予想しながら作業します。

【イメージ通りの仕上がりに】
これだけやっても、実際には印刷屋で使っているインクのメーカーだとか、印刷機に盛られたインクの量だとか、様々な条件で色がズレるので、後は印刷オペレーターの腕に任せるか、「色校」という手順を踏みます。こちらは実際の印刷手順を行い、出来上がりのテストをすると言った内容。しかしこの作業は時間とコストがかかるため、小ロットや低コストでのご希望に沿うのは難しいのです。

 

それでも何とかイメージに近づけたい!と言う方は、具体的な色のイメージを担当者にお伝えください。
単純に「ここは緑で。」と言うより、「ここの緑は草原のような爽やかで明るい緑のイメージ。具体的には(雑誌の切り抜きなどで)この緑よりも明るい感じ。」などと分かる範囲で教えて頂ければ、作業に関わるスタッフすべてがその情報を共有し、全員でそのイメージに近づけるよう仕上げていきます。

弊社ご利用の際は是非、お試し下さい♪

presenter,まっさん
editor,サトウ