こんにちは。
神奈川県大和市の印刷・企画・デザインならおまかせのアドタックです。

8月に 国立西洋美術館の企画展として開催されていた
「版画家レンブラント 挑戦、継承、インパクト」に行ってきました。
17世紀オランダを代表する芸術家として活躍し、後世の多くの芸術家にも影響を与えた
レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン。
時代を超えて人々を魅了し続ける彼の作品と功績を振り返る回顧展です。

《柔らかい帽子をかぶり模様つきの外套をまとう自画像》
レンブラントが1631年に制作した自画像です。エッチングとドライポイントという技法を用い、
帽子や外套の質感を繊細な線で表現しています。
特に外套は、まるで素描のような柔らかな線で描かれており、
版画ならではの豊かな表現力を感じられる作品です。

《イタリア風景の中で読書する聖ヒエロニムス》
1653年頃に制作された本作は、エッチングとドライポイントによる風景版画です。
レンブラントは、版画の仕上がりを左右する紙の種類にも強い関心を持っていました。
なかでも、和紙や中国紙などの東洋紙を好んで使用していたといわれています。
東洋紙はインクのにじみ方や紙の色合いに特徴があり、繊細な陰影や柔らかな明暗の表現を生み出します。
当時のヨーロッパでは一般的ではなかった東洋紙を積極的に取り入れたことからも、
レンブラントの探究心がうかがえます。

《銅版:サスキアの頭部習作5点および年嵩の女性の頭部習作》
1636年に制作されたエッチング作品です。
1枚の銅板に複数の人物の頭部をスケッチするように描いており、
レンブラントの自由な発想と観察力が感じられます。
レンブラントは、銅板をスケッチブックのように使い、さまざまなモチーフを
試し描きした習作風の作品も残しています。
完成された作品だけでなく、制作の過程を思わせるこうした表現からも、
彼の版画に対する実験的な姿勢を知ることができます。
今回の作品を通して、レンブラントが紙の種類によって変わる版画の仕上がりに
関心を持っていたことが印象に残りました。
私たちが印刷物を制作する際にも、使用する紙の材質や質感によって、
色の見え方や手触り、全体の印象が大きく変わります。
紙は単に印刷するための素材ではなく、作品の魅力を引き出す
重要な要素の一つなのだと改めて感じました。
今回の展示を通して学んだことを、今後の制作でも意識し、
印刷物の内容や目的に合った紙選びを心がけていきたいと思います。
〈Y.K〉


